今では世界的にスポーツバイクブームです。
まずは通勤通学やちょっとしたサイクリング、運動不足解消にエクササイズ、気分転換に始めたいと思って、「クロスバイク」または「ロードバイク」で検索する人が多いです。
本格的にスポーツバイクを始めたい人は「ロードバイク」一択ですが、「クロスバイク」との価格の違いで「ロードバイク」ではなく「クロスバイク」を選ぶ方も多いですが、ここで紹介したいのは「クロスバイク」と「グラベルロード」の違いについて分かりやすく説明します。
「ロードバイク」でもなく「クロスバイク」でもなく第三の「グラベルロード」がいいとなるかもしれません!
あなたはクロスバイクそれともグラベルロード!?
GIANT(ジャイアント)というブランドから出ている「クロスバイク」と「グラベルロード」で何が違うのか下記の項目に沿って説明していきましょう。
【比較項目】
- 使用目的
- ハンドル形状
- 乗車姿勢
- タイヤの太さ
- パーツ構成
- 価格
- 重量
- 巡行速度
クロスバイク
本格スポーツライドのための上級クロスバイク「エスケープRX」シリーズのミドルモデル。
上級アルミ素材「アラックスSL」フレーム、ステアリング剛性の高いOVERDRIVEカーボンフォーク、ワイドレンジな18速「ALTUS」、28Cタイヤなど、ロードバイクの仕様を踏襲して高い走行性能を実現。
D-FUSEカーボンシートポストとコンフォートサドルなどで高い快適性も併せ持つ。
【クロスバイクの特徴】
- 目的:通勤通学から週末サイクリング
- 乗車姿勢:状態が起き上がった姿勢
- フレーム素材:ALUXX SL-Grade Aluminum OLD130mm
- パーツ構成:SHIMANO ACERA / ALTUS/ALIVIO
- 重量:10.0kg(465mm)
- 価格:¥84,700(税込)
グラベルロード
グラベルライドの裾野を広げる、アルミフレームの「リボルト」。
OVERDRIVE規格のフルカーボンフォーク、12mmスルーアクスル、 フラットマウント規格、オフセットシートステイ、「D-FUSE」シートポストなど、上位モデルの設計思想を踏襲するフレームは、 ダウンチューブ下側にもボトル台座を設置。
38Cチューブレスレディタイヤの振動吸収性と合わせて、ツーリングでも活躍。
【グラベルロードの特徴】
- 目的:通勤通学から週末本格的なライドまで(舗装路から未舗装路まで走行可能)
- 乗車姿勢:ハンドルの握る位置で調整可能。
- フレーム素材:ALUXX-Grade Aluminum OLD142mm
- パーツ構成:SHIMANO SORA
- 重量:10.2kg(430mm)
- 価格帯:¥137,500(税込)
使用目的の違い
クロスバイク
クロスバイクは、日常の移動手段として通勤通学から週末サイクリングまで楽しめる乗り物です。
基本、オンロードと言われる舗装路を走行することを想定されて作られています。
スポーツバイクの中でもカジュアルに始めやすく人気があります。
グラベルロード
グラベルロードは、日常の移動手段として通勤通学から週末のサイクリングまたは距離100km以上の長い距離でも快適に走ることができる乗り物です。
また、自転車に荷物を積んで移動できるように耐久性と安定性も高くなっています。
走行できるフィールドは、舗装路だけでなく砂利道やトレイルと言った未舗装路も走行できるように想定されて作られています。
ハンドル形状の違い
クロスバイク
クロスバイクのハンドル形状は、フラットハンドルと言われる水平タイプになっています。
これはスポーツバイクに慣れていない人でも安定したい姿勢で乗ることができるようになっています。
また、フラットハンドルだと状態が起き上がることで前方の視界が広くなるメリットがあります。
ブレーキ操作も難しくない形状なので、特にスポーツバイクに慣れていない人からするとシティサイクルと変わらない感覚で導入できるので精神的なプレッシャーも少なく始めやすく人気があります。
グラベルロード
グラベルロードのハンドル形状は、スポーツバイク特有のドロップハンドルというアーチ状タイプになっています。
ドロップハンドルの大きな特徴は、前傾姿勢になることで空気抵抗が減り長時間の走行でも疲れづらくなります。
また、ドロップハンドルで下ハン部分が横に広がっているフレアハンドルというタイプもあります。
フレアハンドルの場合、フロントに荷物を車載する際にハンドルが横に広がっていることで干渉しない形状になっています。
この前傾姿勢に慣れない人や長い距離を走らない人は、グラベルロードでもフラットハンドルにして乗る人もいます。
走行時の巡行速度の維持や安定して長い距離を走りたい人はドロップハンドルがおすすめですが、完成車の多くはドロップハンドルになっているので、お店で交換してもらうか自分で交換するしかありません。
乗車姿勢の違い
クロスバイク
クロスバイクの乗車姿勢は、状態が起き上がるようになっています。状態が起き上がることで、前方の視界が広く取れることので初心者でも安全性に走ることができます。
ロードバイクのように前傾姿勢になり空気抵抗を軽減させながら速度を出して前に出て走る目的では作られていません。
街中を走る際には信号も多いので、ストップアンドゴーが多い首都圏では乗車姿勢が高いほうが比較的楽に走ることができます。
グラベルロード
グラベルロードの乗車姿勢は、前傾姿勢(※ドロップ系形状のハンドルの場合)になるようになっています。
長い距離も走れるように、少しでも姿勢を低くすることで風の抵抗を軽減させ疲れづらいようになっています。
また、ロードバイクのようにグラベルロードも速度を出して前に出て走る目的では作られていません。(※メーカーによっては、グラベルレース目的の速度を出せるエアロ形状のグラベルロードも登場しています)
疲れづらくなることで、長い距離でも安定して走ることができるようになっています。
パーツ構成の違い
クロスバイク
パーツの総称をコンポーネント(コンポーネンツ)と呼びます。
お値段や重量にも関係してくるパーツ構成ですがクロスバイクの場合、ロードバイク・マウンテンバイクで使用するパーツ構成で組まれていることが多いです。
クロスバイクに良く搭載されるのが、SHIMANOから出ている、カジュアルMTB(マウンテンバイク)コンポーネントに位置するACERA(アセラ)や、本格MTB(マウンテンバイク)用コンポーネントのエントリーグレードに位置するDEORE(デオーレ)です。
ギア比も多く細かく調整できることで、初心者がどんなシーンで走行しても対応できるよう扱いやすいコンポーネントで組んであります。
グラベルロード
コンポーネントについては、シマノ、スラム、カンパニューロの3大メーカーからグラベルロード専用設計のパーツが登場しています。
日本メーカーからは2019年にSHIMANO(シマノ)からGRX(ジーアールエックス)と呼ばれるグラベルロード専用設計のパーツが登場しています。
SHIMANO GRXはグラベルライドに最適化された操作性、ギア構成、堅牢な構造、そして静かで信頼感のあるドライブトレインによってグラベル専用コンポーネントという独自のブランド価値を構築しています。
それはロード用コンポーネントの単なる流用ではなく、ライダーをグラベルライドへ駆り立てられるものとしてゼロから設計したものです。
SHIMANO GRXでは荒れた山道やロングライドへの挑戦に戸惑うことはもうありません。 Explore Beyond、あなたの未知への探求心を刺激します。
グラベルロード専用コンポの特徴は、特に荒れた道でもチーェン暴れを制御できたり、荒れた道でもハンドル操作がしやすかつまたり、耐久性の高いパーツが使用されています。
ギア比も今まで痒いところに届かなかった、細かな変速ができるように各社で工夫がされています。
タイヤ幅の違い
クロスバイク
クロスバイクでは、タイヤの太さは30C前後のタイヤが標準で付いていることが多いです。
その理由としては、スピードと安定性の両立されたサイズだからです。
タイヤを太くすることで、段差も乗り越えやすくなり街中でも気持ちよく走ることのできるタイヤ幅になっています。
ちなみにロードバイクは、現在の主流としては25C前後のタイヤを装着させます。
クロスバイクよりはタイヤが細くなることで、速度を出して走れるようになります。
グラベルロード
グラベルロードでは、使用しているフレームのクリアランスによって装着できるタイヤ幅に大きな差がでます。
ロードバイクのような細いタイヤ25Cからマウンテンバイクのような50Cまで装着できるフレームもあります。
ご自身がどんな場面でどんな使用をするのかによって、フィールドに合わせてタイヤ幅を選ぶことができます。
また、クロスバイクとの違いとしてはタイヤに溝があるタイプのものを基本的に装着させます。
舗装路だけでなく、未舗装路を走ることも想定されているので両方のフィールドに対応できるよう溝のあるタイヤを選びます。
価格の違い
クロスバイク
クロスバイクの価格帯は、10万円前後のものが多いです。使用されているフレーム素材やパーツのグレードによって、金額に差がでてきます。
また、フレーム素材や使用されているパーツ総称(コンポーネント)によって車体重量にも差がでてきます。
クロスバイクでもロードバイク並みに軽量モデルもありますが、その分、金額が高くなる傾向にあります。
グラベルロード
グラベルロードの価格帯は15万円〜20万円前後でしたが、最近では世界的なグラベルバイクブームとコロナによる自転車需要の増加によりパーツの高騰が影響しています。
ロードバイクの平均的な価格帯と変わらないくらいになってきており、今では15万円〜30万円前後のモデルが多いです。
軽量モデルやエアロ形状なものなど、開発費が掛かっているグラベルロードも市場に出始めた影響も考えられます。
車体重量
クロスバイク
クロスバイクの重量は、使用されているフレーム素材、パーツのグレードによっても変わってきます。
レースや速度を出すシーンが多いロードバイクの場合では、重量が10kg以下のモデルが多く軽いモデルだと6kg程度です。
(※重量6kg以下の場合、世界的なレースで軽すぎても基準内と見なされずレースに出場できません)
クロスバイクの場合は、安定性と乗り心地が重要視されるので強度と耐久性を考えて、平均重量は10kg〜13kgくらいのバイクが多いです。
グラベルロード
グラベルロードの重量は、使用されているフレーム素材、パーツのグレードによっても変わってきます。
特に車体に荷物を載せれるように強度と耐久性が高くなっているので、平均して重量12kg〜13kgくらいのモデルが多いですが、最近ではバイクパッキングはせずにグラベルレースや速度を競って走れる軽量モデルも多く、ロードバイクと変わらない10kg以下の重量のバイクも登場しています。
巡行速度の違い
クロスバイク
クロスバイクの巡行速度は、使用しているフレーム素材・形状、パーツグレード、ホイール、タイヤの幅、己の筋力と心肺の強さによって変わってきます。
クロスバイクでも平地や山を登るヒルクライムも速い人はいますが、大きな違いは乗車中の姿勢が起き上がった状態なので、その分の負担が生じます。
乗車姿勢が前傾姿勢になるロードバイク、グラベルロードと比べるとその体力の減りが一目瞭然です。
しかし、平均的なクロスバイクで出せる巡行速度はアルミフレームで初期装備の状態で28Cのタイヤを装着させた場合、平地で25km前後の巡行速度をキープできると言われています。
※個人差や路面状態によって変わってきます。
グラベルロード
グラベルロードの巡行速度は、使用しているフレーム素材・形状、パーツグレード、ホイール、タイヤ幅、己の筋力と心肺の強さによって変わってきます。
とは言え、ロードバイクのような細めのタイヤも装着できるグラベルロードの場合、細めのタイヤを装着させてドロップハンドルで乗車姿勢も前傾で平地を走った場合、30km前後で巡行速度キープできると言われています。
※個人差や路面状態によって変わってきます。
まとめ
いかがだったでしょうか!
これからクロスバイクを始めたいと思っていた方やグラベルロードを購入検討していた方も、一度はスポーツバイク専門店に出向いて自分のスタイルにあった「スポーツバイク」を選んでみてはいかがでしょうか。
決して安い買い物ではないので、できれば気に入ったバイクが見つかった際には、購入前にお店で試乗させてもらえるか確認してから購入判断するといいです。
もしくは大規模な試乗会などやっているので、乗ってから購入しても損はありません。
実際に乗ってみると想像と違ったという意見も聞きます。
是非、「クロスバイク」「グラベルロード」の両方を体験してみてください。