北海道ニセコエリアで開催された「Panaracer NISEKO GRAVEL 2025」は、グラベルバイクを楽しむライダーにとって見逃せないイベントです。
ニセコは冬のパウダースノーで世界的に知られますが、雪解け後のグリーンシーズンには、手つかずの自然が織りなす絶景と多彩な路面が広がり、グラベルライドに理想的なフィールドを提供します。火山性土壌が生む独特のダート、どこまでも延びる農道、そして森林の中を縫うように走る林道は、ロードでは味わえない冒険心をかき立てます。
なかでも注目の「シマリスコース」は、46.6kmに対して獲得標高±814mという絶妙なバランスが魅力です。
初心者から中級者まで、無理なく達成感を得られる設定です。
【基本データ】
- 距離: 46.6km
- 獲得標高: ±814m
- コース特性: 整備された林道・農道中心
- 推奨所要時間: 3.5〜5時間(撮影・休憩含む)
この数値を見て「ちょっとハードかも...」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、SHIMARISUコースの真の魅力は、数字以上に走りやすく設計されている点にあります。
シマリスコースでのグラベルライドは、五感を研ぎ澄ます豊かな体験へと昇華します!
早朝の澄んだ空気、風にそよぐ木々の葉音、鳥たちのさえずり、そして広大な大地から立ち昇る土の香り――。
ニセコが織りなす自然の調べは、都会の喧騒を忘れさせ、心身を深く癒す特別な時間となることでしょう。
さらに、シマリスコースの適度な運動強度は、体力的な余裕という「贅沢」をライダーにもたらします。
スタートからしばらくすると雨が上がり、空には虹のアーチ。まるで参加者を歓迎してくれているかのようでした。
これにより、イベント前後のニセコ滞在は、単なる通過点ではなく、より深く、多角的に地域を味わい尽くす時間へと変わります。地元の人々との温かい交流、旬の採れたて野菜や果物を味わう喜び、名湯に浸かり心身を解き放つ至福のひとときが味わうことができます。
そして、その雄大な姿を様々な角度から見せる羊蹄山の息をのむような絶景を、焦ることなくじっくりと堪能できるのです。
この地でしか得られない、心に深く刻まれる貴重な記憶と感動が、きっとあなたを待っています。
「今年で4回目の参加になります。毎年、夏の終わりから秋の風を感じ始める頃に『Panaracer NISEKO GRAVEL』に参加するのが恒例になっています」と語るのは、ライターの今田イマオさん。3年連続で100kmを超えるロングコースに挑戦してきた今田さんが、今回はじめて「シマリスコース46.6km」を選んだ理由は明確でした。
台湾から自転車YouTuberリンダさんも初参加!
今田イマオさん
「皆さん、こんにちは!今田イマオです。これまでは100km超のロングコースに参加していたんですが、正直なところ、会場に戻ってきた時には、もうゆっくりする余裕なんてありませんでした。写真撮影を楽しむ時間もほとんど取れなかったです。せっかくニセコまで来ているのに、地域の方々との交流や名物グルメを味わう時間がないまま帰ることが続いていて、それがずっと心残りでした。そこで今回は、距離46.6kmのシマリスコースに参加しました!」
今田イマオさん
「実際に走ってみると、コースの獲得標高は±814m。数字の印象どおり『そこそこ登る』設定ですが、主要な上りは前半の舗装路に集約されているため、早い段階で長い上り区間を終えられました。以降は、適度な勾配のグラベル(砂利道)が続き、北海道の大自然を全身で感じながら気持ちよく走行できます。撮影したい場面では無理なく足を止められる余裕もあり、心身にゆとりを残したままペダルを回し続けることができました。」
イベント中に出会った地元の小学生。家の周りを元気に周回する姿が印象的でした
今田イマオさん
「どうしても長い走行距離のコースでは、決められたコースを時間内に完走することが最優先で、周囲の景色を楽しむ余裕はありませんでした。疲労と焦りの中では、どんなに美しい風景も通り過ぎる背景でしかありません。しかし、適度な距離設定のシマリスコースでは、参加者の心に真の余裕が生まれ笑顔が絶えなかったです。体力的な疲労に支配されることなく、五感を研ぎ澄まして北海道の自然と向き合えるようになると、今まで見過ごしていた小さな美しさに気づくことができると知ることができました。」
すすきの草原を勢いよく駆け抜けて降りてくる参加者たち
今田イマオさん
「心に余裕があると、走るすべての場所が特別な意味を持ち始めます。道端に咲く名もない野花、風にそよぐ白樺の葉音、雲間から差し込む光が作り出す陰影。これらすべてが、今まで以上に自然で豊かで美しいものとして心に響くようになります。カメラを構える手にも慌ただしさはありません。ゆったりとした呼吸とともに、北海道の雄大な自然をじっくりと観察し、その瞬間の美しさを心に刻み込んでからシャッターを切ることができました。そうして撮影された写真には、単なる風景の記録を超えた、その時の感動と心の豊かさが写り込みます。」
コース沿いで見つけた廃墟
煙突から伸びる一本の木に、生命の逞しさを感じました
「シマリスコースがもたらす余裕は、人との交流にも良い影響をもたらします」と今田イマオさんは続けます。
今田イマオさん
「これまでは100km以上のコースを走ることが多く、イベント時間内に戻るのが難しかったり、フィニッシュ時の天候悪化でアフタープログラムに参加できず、そのまま帰宅することも少なくありませんでした。今回は「シマリスコース」のおかげで無理なく完走でき、参加者同士の交流も自然と生まれ、地元のライダーさんともいろいろなお話ができました!スタート地点に戻ると、さまざまな出展ブースが並び、食事や飲み物をいただきながら互いの健闘を称え合い、地元の方々とも同じ時間を共有できて、会話が途切れることはありませんでした。顔なじみの参加者やスタッフさんも増え、たくさんお声がけいただけて、本当に温かいイベントだと改めて感じました!」
今田イマオさん
「さらに、「体力的な余裕」こそが真の贅沢だと実感しました。過度な疲労を残さない絶妙なコース設計のおかげで、イベント前後のニセコ滞在は単なる通過点ではなく、地域の魅力を多面的に味わえる豊かなひとときへと変わります。温泉街での湯めぐり、地の食や文化に触れる時間、そして雄大な羊蹄山が刻々と見せる表情をゆっくり眺める至福の瞬間まで。ニセコでしか得られない体験を存分に堪能できます。」
ニセコのグラベルライドを彩るのは、雄大な景色だけではありません。コース上に点在するエイドステーションは、単なる補給地点を超え、地域の豊かな恵みを五感で味わえる至福の体験を提供します。疲れた体に染み渡る、とっておきのご褒美をご紹介しましょう。
まだ長い道のりの始まり。ここで立ち寄るのは、八海山ニセコ蒸留所のエイドです。提供されるのは、麹だけで作られた特別な「あまさけ」。麹の力によってお米のでんぷんがグルコースに、たんぱく質がアミノ酸に分解されており、疲れた体への吸収効率は抜群。まさに「飲む点滴」で、ライドに必要なエネルギーを素早くチャージできます。蒸留所では見学や試飲も楽しめ、ライドの合間の知的好奇心も満たしてくれるでしょう。
ニセコのグラベルライドといえば、この豪快さがたまらない!蘭越町特産の「らんこしメロン」が、その場で大胆にカットされ提供されます。夕張メロン、らいでんメロンと並び称される北海道の赤肉メロン御三家の一つである「らんこしメロン」は、厳しい糖度基準をクリアした逸品。羊蹄山の伏流水と昼夜の寒暖差という恵まれた環境が育んだ、濃厚な甘みと爽やかな香りは、汗をかいた体に最高の潤いを与えてくれます。
「今年は何人前だい?」と、昨年のおにぎりからカレーへとオーダー変更を快諾してくださった頼もしい女将さんの温かい心遣い。北海道屈指の米どころ「らんこし米」を使った林農場特製のカレーは、ライドで冷えた体と心にじんわりと染み渡ります。出来立て熱々のカレーは、新米の甘みと香りが際立ち、格別の美味しさ。ちなみに、エイドの場所となる「黄金温泉」は、井戸掘りで偶然発見された手作りの源泉かけ流し泡付き炭酸泉。広い露天風呂からは雄大な羊蹄山を望むことができ、開放感たっぷりの人気温泉なので、ライド後に立ち寄るのもおすすめです。
「今作ってるから!」と役場から連絡が来るほど、まさに出来立てほやほやが届けられる「らんこしアイスクリーム」。さっぱりとした中にも濃厚なコクが広がる味わいは、ライドの疲れを優しく癒してくれます。この心温まるおもてなしこそ、ニセコの魅力そのものです。
今回は前日の大雨の影響により、HIGUMA/EZOSHIKAの両コースは統合となりました。なお、走行距離が100kmを超える設定の場合は、参加者が安心して走行できるよう、補給ポイントを増設し、間隔も短めに配置されます。
倶知安で長年愛されるおばあちゃんの手作りみたらし団子。
羊蹄山麓の豊かな自然と農家さんの情熱が育てた「倶知安じゃが」。素材そのままの美味しさを味わえるシンプルな茹でじゃが+バターは、まさに「ザ・北海道」の味覚体験。ホクホクの食感と自然な甘みが、体に優しいエネルギーを補給してくれます。
明治32年創業の老舗が誇る、北海道産スケトウダラを使った美味しいかまぼこ。魚の旨味が凝縮された伝統の味は、たんぱく質補給としても理想的。歴史ある味を楽しみながら、次のセクションへのエネルギーを蓄えましょう。
あきさん(兵庫県/初参加)
「Instagramでこのイベントを知り、以前からニセコのグラベルを走ってみたかったこともあって参加しました。実際のコースは、距離もグラベル区間の割合もちょうどよく、終始気持ちよく走れました。装備はグラベルキングの38cのタイヤをチューブありで運用しています。走行のポイントとしては、グラベルの下りでは左ブレーキを軽く効かせて車体を安定させ、右ブレーキで速度を調整しながらゆっくり下ることを意識しました。ライン取りは丁寧に、コーナーは外側を通ると安定します。泥よけがあると、路面状況によってはより快適に走れると思いました!」
ちなみさん(北海道在住/初参加)
「毎年気になってはいたものの、なかなか参加に踏み切れずにいました。今回は友人に誘ってもらい、思い切ってエントリー。フレンドリーな雰囲気で、とても楽しく走れました! コース後半の登りはなかなか“しびれる”手応えでしたが、途中で視界がぱっと開ける区間や、森の中を抜ける区間があり、終始気持ちよく走れました。エイドの配置も絶妙で、カレーもとてもおいしかったです♪
バイクはグラベル専用車を持っていないため、ロードバイクにギリギリ装着できるグラベルタイヤ(たぶん38mm)を履かせて参加しました。やはり、乗り慣れたバイクで出るのが一番だと思います!」
noricoさん(奈良県/2回目)
昨年参加して「また走りたい」と思えたグラベルだったので今年も参加し、序盤は舗装路が続いて早くグラベルに入りたいと待ち遠しく感じましたが、いざ入ると路面は非常に走りやすく登りの斜度も緩やかできつさはほとんどなく、特にロングダウンヒルは最高でした。前日の大雨で路面を心配していたものの実際は問題なく快適に走行でき、エイドの量も昨年は少なめに感じたのに対し今回はシマリスコースなら十分だと感じました。昨年はミドルに出ていたこともあり距離面ではやや物足りなさはあったものの、美しい景色の中で写真を撮ったりおしゃべりを楽しんだりできたのはとても良かったです。ロングコースにあるキャノンデールソファのように、シマリスコースにもみんなで楽しめる写真スポットがあると嬉しいなと思います。会場ではイマオさんともお会いでき、写真を撮っていただいたりお話しできて楽しい時間を過ごしました。使用機材はCannondale
TOPSTONEにPanaracer GRAVELKING 700×45cで、舗装路とグラベルで空気圧を切り替えると安心して楽しめるため、電動ポンプを携帯するのがおすすめです。
和田さん(大阪府/初参加)
参加者全体の雰囲気が素晴らしく、コースも最高の体験でした。 SHIMARISUコースのグラベル率はちょうど良いバランスで、登りが苦手な私にとって「登り区間はオンロード、下り区間はグラベルで大冒険」という構成は理想的なルート設定でした。このコース設計があまりにも気に入ったため、来年も同じコースを走りたいと思えるほど満足度の高い内容でした。
今後参加される方へのアドバイスとしては、完走後に泥だらけになるため、ゴール地点に着替えを用意しておくことをお勧めします。また、前日のファンライドではエイドステーションがないため、水分補給用のドリンクがすぐになくなってしまい困った経験がありました。多めに水分を用意しておくと安心して楽しめると思います。
チャムス CHUMS メンズ レディース アウトドア アクセサリー 鈴 ベル Bear Bel
POLICE MAGNUM 熊撃退スプレー 中型 (全国の複数の国公立機関・地方自治体正式採用品/JSDPA認定品)
ニセコエリアではヒグマや数々の動物たちとの遭遇可能性があるため、熊鈴の携行や声出しによる存在アピールが重要です。単独走行時は特に注意が必要で、早朝・薄暮時の藪沿い走行では速度を落とし、周囲の状況に注意を払います。また、豊かな自然環境を守るため、ゴミは持ち帰り、指定されたルートを逸脱しないなど、環境への配慮を忘れないようにしましょう。
今田イマオさん
「山遊び・オフロード走行の必需品である熊鈴は、消音(ミュート)機能付きのタイプがおすすめです。自転車に装着したまま舗装路や市街地を走ると、常時鳴り続けて周囲の迷惑になることがあります。森に入るまでは小音・消音にしておき、必要な場面でワンタッチで鳴らせる切替式を選ぶと使い勝手が良好です。
また、北海道のローカルサイクリストの中には、熊撃退スプレーを自転車に常時携行している方もいます。ご自身の安心のために持参を検討するのも一案ですが、取扱説明書をよく読み、各自治体・施設のルールに従い、誤噴射や保管方法(高温・直射日光を避ける)に十分ご注意ください。」
北海道の秋は気温変化が大きいため、レイヤリング可能なウェア選択が重要です。レインジャケット、アームウォーマー、薄手グローブなどを携行し、気温差に柔軟に対応できる準備を整えます。体調管理はライド中だけでなく、イベント前後の観光を楽しむためにも不可欠です。
今田イマオさん
「今回は、スタート前と走り始めに雨に降られました。この時期の北海道はまだ残暑が続き、日中は暑い日もありますが、朝晩の気温差は大きいです。とくに山の天気は変わりやすく、急な雨で体温を奪われることもあります。雨風をしっかり防いで体力を保ち、安全に走るためにも、レインウェアは必ず携行することをおすすめします。」
舗装路と未舗装路が混在するシマリスコースでは、オンロードでの転がり抵抗とオフロードでのグリップ力を両立したタイヤが最適です。タイヤ幅は35mm以上を推奨し、路面状況に応じた適切な空気圧調整が快適な走行の鍵となります。
パナレーサー(Panaracer) 自転車 空気入れ P-pump 電動 延長ホース/シリコンケース付き 米/仏対応 BEP-01B
今田イマオさん
「タイヤの太さも大切ですが、万が一のパンクに備えて修理方法を身につけておきましょう。今回も、パンクで困っていた参加者に声をかけたところ、スペアをロードバイク用の細いものしか持っていないグループがありました。タイヤとチューブの幅(太さ)が合っていないと、走行中にビードが外れたりトラブルの原因になることがあります。必ず、使用しているタイヤに適合するチューブを用意しておきましょう。
また、バルブが短すぎると空気入れのヘッドが届かない場合があります。ホイールのリム高に合った長さのバルブを選んでください。さらに、山中での単独修理は危険を伴います。手動ポンプでも構いませんが、作業を素早く終えられる携帯用の電動ポンプの携行をおすすめします。」
クッキーの設定によりYoutubeのコンテンツが表示されません。Youtubeのコンテンツの読み込みと表示を行う場合は、クッキーバナーよりYoutubeのクッキーを受け入れてください。
今田イマオさん
「実際に5日間宿泊させていただきました。まず驚いたのは、お部屋からの羊蹄山の眺めです。天気や時間帯によってさまざまな表情を見せてくれて、いつ見ても飽きません。嬉しいのはキッチンが付いていること。長期滞在でも自炊ができ、家庭用の冷蔵庫もあってとても便利でした。洗濯機や洗剤も備え付けられているので、子連れの方でも安心です。乾燥機はありませんが、暖房器具があるため、洗濯室や浴室でしっかり乾かせます。
さらに、各部屋にはトイレとシャワーがあり、2グループでの滞在でも部屋ごとにシャワーを使えます!」
ニセコを舞台にした46.6kmのシマリスコースは、誰もが北海道ならではの極上グラベルライド体験を満喫できるコースでした!
おすすめのグラベルロードタイヤ8選|ブランド別に紹介【23C、26C、28C、32C、35C、38C、42C、45C、48C】
ワークマン2025秋冬コレクション|自転車通勤・街乗りコーデ
クロスバイクのおすすめタイヤ5選!交換で走行性能と快適性アップ【選び方を解説】
クロスバイクの必需品!雨の日に役立つ泥除けフェンダー5選
ロードバイクは本当に売れていないのか?市場動向とオワコン説を徹底解説
なぜクロスバイクを見下すのか?本当は万能すぎて嫉妬されてる説「ロードバイクより劣る」はもう古い
コメントをお書きください